Movie : My Intern

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映画「The Intern」を観た。ロバート・デニーロがとてもチャーミングなシニア・インターンを演じているが、アン・ハサウェイが演じる主人公のジュールズは、急成長しているファッションサイトの会社を経営する社長。家庭と仕事の両立で毎日が大変なのは、アメリカでも変わらないので、日本のワーキングママたちにも共感を呼ぶストーリーだ。そして、女性が自分に自信を持てずに責任ある仕事につけないというのも、日本だけの話ではないことがよくわかる。

ジュールズには幼稚園に通う娘がいるが、夫のマットが家にいて娘の世話をしてくれる。マットのことを「ハウスハズバンド(主夫)なのね」と言われると、ジュールズは「違うわ。彼は、ステイホームダッド」なのと言って、出勤前に娘を幼稚園に送る役割もこなす。ところが、ジュールズが娘を幼稚園に送っていくと、ママ友から「今週の金曜日のイベントにワカモレ(アボカドで作るディップソース)を持ってくることになっているけど、仕事で忙しくて作る暇がないでしょうから、買ってきたのでもいいわよ」と言われて、へこんでしまうのだ。ママ友たちからすれば、仕事の成功も幸せな家庭も手にしたジュールズは羨ましい存在。意地悪なつもりはないけれど、「ママの手作りは素晴らしい」という価値観を無意識に押し付けてしまうエピソードだ。そんな期待に応えられない自分が悔しくて頑張ってしまうジュールズ。日本の手作り料理信仰はさらにレベルが高いので、このシーンに思わず苦笑いしてしまう人がたくさんいるはず。

ジュールズの秘書のベッキーは、ペンシルバニア大学でビジネスを学んだ女性だ。単純な秘書業務ではなく、社長の右腕としてマーケティング分析などの実務に関わりたいのに、言い出せずにいた。ベッキーはジュールズを失望させるのが怖くて、とにかく何かやらなくてはといつも焦っている。ロバート・デニーロが扮するシニア・インターンが社長の仕事を手伝うと聞いて、自分には能力がないから自分に任せてくれないのにと泣き出してしまう。さらに、仕事で泣く女性はみっともないと日頃から考えている自分が泣いているのが、許せなくて悔しい。

そんなベッキーのような自信のなさを紐解く本がある。「なぜ女は男のように自信をもてないのか (原題:Confidence Code)」。著者のクレア・シップマンとキャティー・ケイは、アメリカで報道番組の記者として長い経験を持つ二人で、第一線で活躍する女性たちへの取材とともに、男女の自信の差を明らかにした研究などを紹介し、「自信」が果たす重要な役割を訴える。フェイスブックCOOのサンドバーグも、前米国務長官のヒラリーも、IMF専務理事のラガルドも、成功しているのに自信がないとはどういうことなのか。能力があることと、強気で自信があることとは別物だと言われれば、理解しやすい。確かに、あまりよく考えず根拠のない自信で仕事を引き受けるなんて、女性は不誠実だと思いがちだ。つまり、考えすぎる習慣や完璧主義のせいで十分な自信が持てず、現状より高いレベルに進むことを躊躇してしまうのだ。

映画では、ベッキーが優しいシニア・インターンのベンのお陰で、やりたい仕事ができるようになり、自信を取り戻す。ベンこそ、イクボスのお手本かもしれない。だから、この映画、男性にも観て欲しい。

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